AdSense審査に落ちた話 — 「有用性の低いコンテンツ」と言われて考えたこと

「有用性の低いコンテンツ」の壁 — AIアプリ開発者が直面したAdSense審査の現実

はじめに

3月1日、Google AdSenseから一通のメールが届きました。

お客様のサイト(wagahi.com)をAdSenseで審査いたしました。残念ながら、お客様のサイトは広告を掲載する準備がまだ整っていないようです。

理由は「有用性の低いコンテンツ」。ポリシー違反として指摘されたのは、サイトのコンテンツが「弊社の定めるサイト運営者ネットワークのご利用要件を満たしていない」というものでした。

正直なところ、予想していなかった結果ではありません。しかし、実際に「不合格」の通知を受けると、やはり考えさせられるものがあります。本記事では、AdSense審査に落ちた経験と、そこから考えたことを率直にお伝えします。

wagahi.comの現状

wagahi(吾輩)は、当社が開発中のWebアプリケーションです。位置情報×AI×キャラクター育成をテーマにしたゲームで、スマホのカメラで撮影した対象物をAIがキャラクターに変身させ、会話や育成を楽しめます。

AdSense審査に申請した時点でのサイトの状態は以下の通りです。

項目 状態
ドメイン wagahi.com(2026年2月取得)
コンテンツ Webアプリケーション(SPA)
ブログ記事 なし(アプリ本体のみ)
プライバシーポリシー あり
利用規約 あり

なぜ「有用性の低いコンテンツ」と判定されたのか

SPAの構造的な課題

wagahi.comはReact+TypeScriptで構築されたSPA(Single Page Application)です。SPAはブラウザ上でJavaScriptが動的にコンテンツを生成するため、Googleのクローラーから見ると「中身のないページ」に見える可能性があります。

通常のブログやCMSサイトは、HTMLソースにテキストコンテンツが含まれています。しかしSPAの場合、初期HTMLは最小限のスケルトンで、実際のコンテンツはJavaScriptの実行後に描画されます。クローラーがJavaScriptを実行しない、または実行が不完全な場合、サイトの価値を正しく評価できません。

アプリケーションとメディアの違い

AdSenseは本来、情報発信型のメディアサイトを想定した広告プラットフォームです。ブログ、ニュースサイト、専門情報サイトなど、テキストベースのコンテンツが豊富なサイトが審査に通りやすい構造になっています。

一方、wagahi.comはインタラクティブなWebアプリケーションです。ユーザーがカメラで撮影し、AIと会話し、キャラクターを育てる。価値はテキストコンテンツではなく、体験そのものにあります。この「体験の価値」をAdSenseの審査基準で評価してもらうのは、構造的に難しいのかもしれません。

対策として考えたこと

1. コンテンツの拡充

最も直接的な対策は、wagahi.comにテキストベースのコンテンツを追加することです。アプリの使い方ガイド、開発者ブログ、AI技術の解説記事など、クローラーが読み取れるHTMLコンテンツを増やすことで、「有用性」の評価を高められる可能性があります。

2. SSR/SSGの検討

SPAのクローラビリティ問題に対しては、サーバーサイドレンダリング(SSR)や静的サイト生成(SSG)の導入が技術的な解決策になります。ただし、既存のReact+Vite構成からの移行はそれなりの工数が必要です。

3. 自社ブログとの連携

現在、当社の技術ブログは自社HP(seaten.co.jp)で運営しています。wagahi.comからのリンクや、wagahi関連コンテンツの充実により、サイト全体の「有用性」を高める方針です。

AI駆動開発者としての所感

AdSenseの審査基準は、「テキストコンテンツの量と質」に重きを置いています。これは従来のWebの価値観 — テキスト情報を提供するメディアとしてのWeb — に基づいています。

しかし、AIアプリケーションの価値は、テキストではなく「体験」にあります。ユーザーがAIと対話し、キャラクターを育て、場所を変えて新しい出会いを楽しむ。この体験の価値を、従来の審査基準で測ることの限界を感じました。

Webアプリケーションと広告プラットフォームの関係は、AIの進化とともに再定義される必要があるのかもしれません。

おわりに

AdSense審査に落ちたことは、決して楽しい経験ではありませんでした。しかし、この経験を通じて、Webアプリケーションのマネタイズという課題に真正面から向き合う機会を得ました。

対策を進めつつ、再審査に挑戦します。その過程で得られた知見は、同じ課題に直面するWebアプリケーション開発者の参考になるかもしれません。

失敗談を隠さず共有すること。それもまた、AI駆動開発の実践者としての当社の姿勢です。


本記事は2026年3月時点の情報に基づいています。

著者: 株式会社シーテン — インフラ系から宇宙関連システムまで20年以上の開発経験を持つ技術者集団。2025年より生成AI・AIエージェントを活用したAI駆動開発に本格参入し、自社プロダクト「wagahi」の開発を通じて実践知見を蓄積中。

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