NotebookLMのDeep Research機能を試してみた
GoogleのAIノートブックが研究ツールに進化 — 実務で試した率直な感想
GoogleのAIノートブックが研究ツールに進化
2025年11月14日、GoogleはNotebookLMにDeep Research機能を搭載しました。NotebookLMはもともと文書を読み込んでAIと対話できるツールでしたが、Deep Researchの追加により、Web上のソースやGoogleドライブからの情報を直接ノートに取り込めるようになりました。
当社はwagahiアプリの開発でAI駆動開発を実践しており、技術調査にもAIツールを活用しています。NotebookLMのDeep Research機能が実務でどこまで使えるのか、実際に試してみました。
Deep Researchとは何か
従来のNotebookLMは、ユーザーがアップロードした文書(PDF、テキスト、Webページ等)を元にAIが質問に回答するツールでした。Deep Research機能では、これに加えて以下が可能になります。
- Web検索の統合: ノートブック内の情報だけでなく、Webから関連情報を自動検索して統合
- Googleドライブ連携: ドライブ上のドキュメントを直接ソースとして登録
- 多段階リサーチ: 単純な検索ではなく、複数の情報源を横断して分析・要約
- ソースの明示: 回答の根拠となる情報源を明示し、信頼性を担保
技術調査での活用を試す
実際にwagahiアプリの開発に関連する技術調査でDeep Researchを使ってみました。
テスト1: Spring Boot 3.5のセキュリティ変更点調査
wagahiアプリのバックエンドはSpring Boot 3.5.0を使用しています。バージョンアップ時のセキュリティ関連の変更点をDeep Researchで調査しました。
結果: Spring Security 6.xの変更点、非推奨APIの一覧、マイグレーションガイドなどを複数ソースから統合して提示。公式ドキュメント、Stack Overflow、技術ブログからの情報が整理されており、手動で検索するよりも効率的でした。
テスト2: PostgreSQLのパフォーマンスチューニング
wagahi_dbのクエリパフォーマンス改善のための調査を行いました。
結果: PostgreSQL 17の新機能、インデックス戦略、EXPLAIN ANALYZEの活用法などが体系的にまとめられました。ただし、一般的なベストプラクティスが中心で、特定のテーブル構造に基づいた具体的なアドバイスは限定的でした。
テスト3: MCP(Model Context Protocol)の最新動向
wagahi開発で活用しているMCPの最新仕様変更について調査しました。
結果: 2025年11月のMCP仕様アップデート(非同期操作、ステートレス対応等)に関する情報が複数ソースから収集されました。公式ドキュメントとコミュニティの議論の両方を参照しており、実用的な情報が得られました。
実務での評価 — 良い点と課題
良い点
- 情報の網羅性: 複数のソースを横断的に調査してくれるため、見落としが減る
- ソースの明示: 根拠となるURLが明示されるため、情報の信頼性を確認しやすい
- 要約の質: Geminiモデルの要約能力が活かされ、長文の技術文書も要点が分かりやすい
- 日本語対応: 日本語での質問に対して、日本語と英語の両方のソースから情報を収集
課題
- 最新情報の鮮度: Web検索の結果は必ずしも最新とは限らず、情報の鮮度確認が必要
- 深い技術的判断: 特定のプロジェクト構造に基づいた判断(例: 「このクエリにはどのインデックスが最適か」)は苦手
- コンテキストの制限: プロジェクト固有の設計判断や制約条件を理解した上での調査は難しい
Claude CodeとNotebookLMの使い分け
AI駆動開発の現場では、複数のAIツールを目的に応じて使い分けることが重要です。
- Claude Code: コードの実装、設計書の生成、結合試験の自動実行など、プロジェクトのコンテキストを深く理解した上での作業に最適
- NotebookLM Deep Research: 技術動向の調査、ライブラリの比較検討、ベストプラクティスの収集など、広く浅く情報を集める作業に適している
- Gemini API: wagahiアプリ内でのユーザー向けAI機能(チャット、画像分析、キャラクター生成等)に使用
一つのAIツールですべてを賄おうとするのではなく、各ツールの強みを活かして組み合わせることが、AI駆動開発の生産性を最大化するコツだと実感しています。
今後への期待
NotebookLMのDeep Researchは、まだ初期段階の機能ですが、技術調査の効率化に確実に貢献します。今後、Googleドライブとの連携がさらに深化し、プロジェクトドキュメント全体を読み込んだ上でのリサーチが可能になれば、AI駆動開発のワークフローにより深く組み込めるようになるでしょう。
本記事は2025年11月時点の情報に基づいています。
著者: 株式会社シーテン — インフラ系から宇宙関連システムまで20年以上の開発経験を持つ技術者集団。2025年より生成AI・AIエージェントを活用したAI駆動開発に本格参入し、自社プロダクト「wagahi」の開発を通じて実践知見を蓄積中。
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