自社広告プラットフォームをゼロから実装した話 — 7フェーズ全完了の記録
はじめに
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「広告プラットフォームを自前で作る」
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これは、AI駆動開発で位置情報ゲームアプリ「wagahi」を作り続けている当社にとって、これまでで最も大きな実装チャレンジでした。
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Google AdSenseの審査を待つ間に、自社で広告の配信・管理・収益化の仕組みを構築する。しかも、フェーズ0の設計調査から数えて124タスク、7つのフェーズを経て全完了させるという規模の作業です。
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本記事では、Claude Codeとの協働で自社広告プラットフォームをゼロから実装した全記録をお伝えします。
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なぜ自前で広告プラットフォームを作ったのか
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AdSense審査の壁
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wagahiは、ユーザーがスマートフォンのカメラで身の回りの物を撮影し、AIがキャラクターに擬人化する位置情報連動アプリです。収益化の柱としてGoogle AdSenseを申請していましたが、審査の結果は「有用性の低いコンテンツ」という理由で不承認が続いていました。
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自社広告という選択肢
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審査結果を待ち続けるだけではビジネスが前に進みません。そこで、AdSenseが通るまでの間、自社で広告の仕組みを構築し、将来的にはAdSenseと併用できる設計にしようと考えました。
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7フェーズ・124タスクの全体像
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フェーズ構成
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| フェーズ | 内容 | タスク数 |
|---|---|---|
| Phase 0 | 設計調査・要件定義 | 18 |
| Phase 1 | DB設計・マイグレーション | 14 |
| Phase 2 | バックエンドAPI実装 | 22 |
| Phase 3 | 管理画面UI実装 | 20 |
| Phase 4 | ユーザー側フロントエンド実装 | 18 |
| Phase 5 | 結合試験・バグ修正 | 16 |
| Phase 6 | 本番デプロイ・運用確認 | 16 |
| 合計 | 124 |
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実装した主な機能
\n\n広告配置管理API\n\n
管理者が広告の配置ポイント(画面上のどこに表示するか)を柔軟に設定できるAPIを実装しました。wagahiには複数の画面があり、画面ごとに最適な広告位置が異なります。これをDBで管理することで、コード変更なしに配置を調整できる設計としました。
\n\n広告の個別ON/OFF\n\n
広告ごとに有効・無効を切り替えられる機能です。特定の広告に問題が発生した場合、即座に非表示にできます。
\n\nバナー広告の共有スロット問題の解消\n\n
複数のバナー広告が同じ表示枠(スロット)を奪い合う問題が発生していました。これを、広告スロットの状態確認APIを新設することで解決しました。全14タスクを費やした修正ですが、広告表示の安定性が大幅に向上しました。
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トークン経済システムとの連携
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wagahiでは、キャラクターの生成や会話にトークン(ゲーム内通貨)を消費する仕組みを採用しています。広告プラットフォームの実装では、このトークン経済システムとの連携が重要なポイントでした。
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バナークリック報酬
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ユーザーがバナー広告をクリックした際に、トークンを報酬として付与する仕組みです。広告をクリックする動機を自然に提供しつつ、ゲーム体験を損なわない報酬額を設定する必要がありました。全32タスクをかけて実装・テストを行いました。
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擬人化トークン要求
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キャラクター生成時に消費するトークン量の設計です。広告視聴との連動も考慮し、18タスクで実装しました。
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MailHogからMailpitへの移行
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広告プラットフォームの実装と並行して、開発環境のメール送信テストツールをMailHogからMailpitに移行しました。MailHogは長らくメンテナンスされておらず、最新の環境との互換性に問題が出始めていたためです。
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この移行は広告プラットフォームとは直接関係ありませんが、開発環境の健全性を維持するために必要な作業でした。AI駆動開発では、こうした「今やらなければ後で苦しむ」タイプの技術的負債にも、適切なタイミングで対処していくことが重要です。
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AI駆動開発で124タスクをどう進めたか
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Claude Codeとの協働スタイル
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124タスクの実装は、すべてClaude Code(Anthropic社のAIコーディングツール)との協働で進めました。当社のAI駆動開発では、以下のような分担が定着しています。
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| 役割 | 人間(設計者) | Claude Code(実装者) |
|---|---|---|
| 設計書の作成 | ○ | 補助 |
| 実装コードの生成 | レビュー | ○ |
| テストの実行 | 確認 | ○ |
| デプロイ | 判断 | ○ |
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設計書先行の原則
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当社では「プログラム設計書に書かれていないことは実装しない」という原則を守っています。124タスクの実装に先立ち、まずデータベース設計書、バックエンド詳細設計書、フロントエンド詳細設計書を改定し、それに基づいて実装を進めました。
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おわりに
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自社広告プラットフォームの実装は、wagahiの開発において大きなマイルストーンとなりました。7フェーズ・124タスクという規模でしたが、AI駆動開発の手法により、設計から本番デプロイまでを効率的に完遂することができました。
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次のステップは、AdSense審査への再挑戦と、自社広告プラットフォームとの併用環境の構築です。引き続き、開発の進捗をお伝えしていきます。
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