「ゆるキャラ」を「マスコット」に、ピクセルアートを本質から再構築した話

「ピクセルアート風」は、なぜぼやけるのか

ファミコンやゲームボーイの時代、限られた画面の中で生まれた小さなアート——それが「ピクセルアート(ドット絵)」です。Wikipediaの定義によれば、その本質は「1ピクセル1ピクセルを人の手で意図的に置く」「限られた色数で形と意味を表現する」「拡大してもぼやけない鋭さを持つ」という点にあります。

ところが、AIで「ピクセルアート風」の画像を生成しようとすると、しばしば期待とは違う結果になります。よく見ると輪郭がぼやけた、単に「ドット風の塗り方」をしているだけの絵になってしまうのです。これは、AIが高解像度の絵をピクセル風に「塗っている」だけで、ドット絵の本質を持たないために起きる現象でした。

画風定義そのものを作り直す

wagahiでは、AIでも本物のドット絵の「らしさ」を引き出すため、画風の定義自体を根本から作り直しました。

  • 生成解像度を意図的に小さく設定: 32×32や96×96など、最初からドット感が出る解像度で生成
  • 生成後に強制ピクセル化処理を追加: nearest-neighbor(最近傍)縮小とMedian Cutによる16色量子化という、古典的なドット絵の画像処理テクニックを適用
  • プロンプトのミニマル化: 「カッコいい絵を描いて」ではなく、「ドットの粒が見える、限られた色数のアイコン」という形で、AIに本質そのものを伝える

名前へのこだわりも

同じ時期に、画風「ゆるキャラ」を「マスコット」へリネームしました。商標への配慮に加え、世界中のユーザーに通じる呼び方を選ぶという小さな哲学の表れです。また、撮影画面のメニュー表記も「Nano Banana擬人化」から「擬人化」へ統一し、より直感的で分かりやすいものにしました。

開発者としての振り返り

「AIっぽさ」を取り除くには、プロンプトの工夫だけでは不十分で、画像処理という古典的な技術との組み合わせが必要でした。wagahiは「身近なモノを、キャラクターに変える」アプリだからこそ、画風一つひとつにも世界観を宿したい——そんな考えのもと、地道な改善を続けています。


本記事は2026年5月時点の情報に基づいています。

著者: 株式会社シーテン — インフラ系から宇宙関連システムまで20年以上の開発経験を持つ技術者集団。2025年より生成AI・AIエージェントを活用したAI駆動開発に本格参入し、自社プロダクト「wagahi」の開発を通じて実践知見を蓄積中。

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Mark4
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