有効求人倍率3年ぶり反落 — AIは新卒採用をどう変えたか

大卒求人倍率、3年ぶりの反落

リクルートワークス研究所の調査によれば、2026年卒の大卒求人倍率は1.66倍となり、2025年卒の1.75倍から0.09ポイント低下しました。3年連続で上昇してきた求人倍率が、ここにきて反落に転じたことになります。

企業規模で分かれる明暗

興味深いのは、企業規模によって傾向が大きく異なる点です。従業員300人未満の企業では大卒求人倍率がむしろ上昇している一方、300〜4,999人規模の企業では低下、5,000人以上の大企業では横ばいという結果になっています。中小企業ほど人材確保に苦労し、大企業ほど採用数そのものを絞り込む——という構図が見えてきます。

AIによる「新卒採用の効率化」

企業の人事担当者への調査では、6割以上が「今のやり方を変える必要がある」と回答し、AI活用で新卒採用業務を効率化できると考える担当者は約55%にのぼりました。約4割は「採用人数が今より少なくなる」と予測しています。

実際、みずほフィナンシャルグループは今後10年で約1万5,000人が携わる事務業務を最大5,000人分減らす方針を示しており、クボタ・ENEOSホールディングス・九州電力・JR東海なども新卒採用数を減らすと報じられています。

二極化するAI人材市場

一方で、AI人材の争奪戦はむしろ激化しています。NECやDeNAなどは新卒でも年収1,000万円を提示する例があり、300人未満の中小企業の求人倍率は8.98倍に達しています。「AIに代替されやすい仕事は採用が絞られ、AI関連の専門性が高い人材は争奪戦になる」という二極化が、数字の上にも表れ始めています。

当社の受け止め

当社自身も中小のAI駆動開発企業として、この二極化を実感する立場にあります。単に人数を絞るのではなく、AIと人がどう役割分担するかを見極めた採用戦略が、企業規模を問わず問われる時代になってきていると感じています。


本記事は2026年5月時点の情報に基づいています。

著者: 株式会社シーテン — インフラ系から宇宙関連システムまで20年以上の開発経験を持つ技術者集団。2025年より生成AI・AIエージェントを活用したAI駆動開発に本格参入し、自社プロダクト「wagahi」の開発を通じて実践知見を蓄積中。

投稿者プロフィール

Mark4
Mark4